鶯谷・鮨若のポップ [散歩/台東区]
鶯谷駅からほど近く、言問通り沿いにある寿司屋「鮨若」さんの凄いポップ。若干電波を感じさせるくどさですが「活魚」に代表される字面がこの活発な雰囲気と良くマッチしています。色数は赤、青、水色の3色ほどに抑えられ、スミと白地との割合も心地よいので嫌な感じはありません。白地を挟んで色どうしが接することのない反対色の使い方からは作者の確かな美意識を感じさせます。ここには大漁旗のノリが入っているようです。現在このポップは撤去され店はごく普通の佇まいになっています。
撮影:2004年5月
撮影:2004年5月
上野7連長屋 [散歩/台東区]
撮影:2013年1月
上野1丁目、地下鉄湯島駅の出口に隣接した所にあるモルタル物件群。一階の店舗は2軒しか営業していませんが、この都心にあって7連の長屋はもはや珍しい部類ではないでしょうか。きれいに並んだ2階窓の上にはエンブレムが一部残っておりその意匠の違いがチャームポイント。右から三番目は屋号の跡と思われ、この通りが商店街として賑わっていた往時を偲ばせます。忍ばず通りの延長線上にあるせいか根津の古い商店街と共通する雰囲気を持っています。
浅草・銀座線地下街のビデオ屋 [散歩/台東区]
地下鉄銀座線浅草駅の改札を出るとすぐに古い地下道に年期の入った店が並ぶディープなエリアがある。その一角に佇むビデオショップの棚のひとつが無料もってけコーナーになっていた。メディアはビデオテープ、ラインナップは「フレンズ」「ER」「Xファイル」等の海外TVドラマが主だ。そこそこの人通りにもかかわらず件の棚に足を止める人はいない。ビデオテープは当初の予測より保存性にすぐれており、30年以上前のテープを今見ても何の遜色もなかったりする。それが無料でも見向きもされないのだから、かつてお気に入りの作品を一本15000円で買っていた身としてはメディアの移ろいやすさを感じないわけにはいかない
撮影:2010年11月
上野・京成聚楽ビル [散歩/台東区]
撮影:2005年7月
上野の西郷さん銅像前の広場から見た京成聚楽ビル。もともと空母の艦橋のようなデザインなのが、剥落防止ネットのせいでますます超現実的なものに見える。まるで現代美術家クリストのラップ系作品のようだ。2005年頃解体された。中にファミレスのはしりのレストラン聚楽の支店があったが、残念ながら入り損ねた
上野・落書きを乞うリヤカー [散歩/台東区]
上野をベースにするホームレスのものだろうか。一台のリヤカーがヨドバシカメラ前の歩道に停車している。そのクルマは荷台に巻かれたビニールシートの一部が落書き用スペースになっていた。そこにはひっそりとした筆跡で「私はいたずら書きに文句はいえません どうぞ(自由にお書きください。)何でも。マンガ・伝言・メモ・私への意見感想。質問」とあった。持ち主の人柄がほの見えるような気がした
撮影:2010年3月
上野・堺屋酒店 [散歩/台東区]
撮影:2010年9月
左に走る通りの突き当たりが不忍池。人通りの多い上野界隈にあって、ここまで昭和の意匠を主張する建築物も今や珍しい。数年前までは上野京成ビルが良いお友達だったのだが建て替えられてしまった。わずかに出窓状になっている窓にはかわいい庇が。窓の下部は丁寧にRが付けられていて、建物全体の曲線と絶妙なハーモニーを奏でている。タバコの銘柄をあしらったテントはいつも最新のものに換えられており、この建造物がバリバリの現役であることを感じさせて嬉しい
浅草・サンダーバード1号ビル [散歩/台東区]
前にゴミバケツをサンダーバードに見立てたが、これまた1号に見えてしまうビルが浅草に。今度はほぼ実物大というところがすごい。って血中サンダーバード濃度が高すぎですね
東上野・トタンによる造形2題 [散歩/台東区]
このところ波トタンもあまり見かけなくなった。最近ののっぺりした建築材料には見られない美しいマチエール。サビがさらに油絵的な深みを与えている。何者にも媚びていない造形がこれまた愛おしい
なりゆきっぽいが折り紙のような複雑な構造を持つ屋根がいい。波トタン特有のストライプ様のラインがそれを強調している。この物件もサビのグラデーションが効果的
上野公園・聚楽台通用口 [散歩/台東区]
2008年に閉店したファミレスの元祖、聚楽台上の広場にある通気口兼通用口と思われる設備。聚楽台営業中はドアから上野駅前まで降りることができた。ボロい中にもなにか凜としたものを感じるたたずまいはロボットのような雰囲気でもある。左手すぐには西郷さんが立っている。この広場は崖っぷちのせいか独特の雰囲気を持った場所だが、そのまま保存したいと思う酔狂な人がどれほどいるものなのだろうか