西新宿4丁目

撮影：2003年9月
近年急速に整備が進んだ西新宿、山手通り沿いの15年前の風景。もうすっかり整理されてしまいましたがこの頃はまだ戦後すぐの建物の持つ野趣のある景色が残っていました。変化に富んだ手前の建物群の背後にメカニカルな資本主義の象徴がひたひたと迫ってきます。特に都庁は威圧的で心がない印象。

左端に見える自転車のおばさんを逃げる人に見立てると、怪獣映画の一場面のようにも感じられます

四谷三丁目のナイスガイ

撮影：2018年
四谷三丁目の歩道を自転車でゆらゆらと進むいかすTシャツのおじさん。お笑いコンビ流れ星のボケがよくこの手のシャツを着ていたなあ。横倒しの構図がとってもお洒落！ウイルキンソンのメチャ辛いジンジャエールとの組み合わせもナイス。

ポスターの壁

撮影：2012年8月
新宿区水道、車庫の壁が良い味を出していた。古色蒼然としたトタンや壁に、生臭いポスターが活力を与えている。植木鉢はマメに手入れされており、いかに古くてもここが生きた空間であることが感じられて嬉しくなる。

飯田橋・ギンレイホール

飯田橋から帰宅する途中、ギンレイホールのポスター張り替え現場に遭遇しました。支配人の方でしょうか。丁寧に傾き等チェックしておられるその後姿は、小屋に対する誇りを感じさせるものでした。高校生の時に田舎から一人で東京に出てきてここに一日中入り浸ったことがあります。ビートルズの映画3本立てでした。37年も前のことです。


撮影：2012年2月

神楽坂の車止め

撮影：2012年1月
神楽坂赤木神社から水道方面へ降りる小道にある車止めのポール。たしかに坂を下ってくる自転車などがそのまま突っ込みそうな急クランク。ガードレールではなく、ポールを並べたところが面白い。但し仮に自転車でぶつかった場合、ガードレールよりもこのポールの方がライダーへのダメージが大きいように思う

新大久保・駅界隈

駅の改札を出てすぐ左にこのような景色の路地があるのが新大久保のいかすところだ。トタン板を使った昭和の塀が素晴らしい。このような駅舎がどんどん姿を消すなか孤軍奮闘という感じで頑張っている



右手に歩くと開発をひかえたとおぼしき空き地が線路沿いに広がっている。とても山手線の駅前とは思えない風景



良い感じの菓子屋が元気に営業していて心強い



老舗中華食堂北京亭には懐かしいテーブル自販機があった。100円で匂い消しのアメと占いカードが入った小箱が出てくる。「酒気帯び運転に悪用しないで下さい」と大きく書いてあるのはそうやって使用法を暗に示しているのだろうか
撮影：2010年12月

新大久保・昭和の残像

撮影：2010年9月
都内屈指のコリアンタウンがある街新大久保。旨い韓国料理屋もさることながら、開発の手が入っていない古い家並みがそこここに見られる貴重な場所だ。駅舎からして画像のようなボロボロの鉄塔が残っていたりして心が和む。職安通りに向かう裏通りに入ると住宅とラブホテルが入り交じった異様な空間が続く。その一角に昭和の意匠を身に纏った廃アパートがあった。早晩壊されてしまうだろうが、ここに暮らした人の中には愛嬌のあるテント地の模様を懐かしく思う方もいるのではないだろうか


撮影：2010年9月

新宿二丁目・ラシントンパレス

撮影：2005年4月
回転展望台のある建物として、近くの模索社を訪れる度に見上げていたこの建物。展望台も既に停止し、一見さんを寄せ付けない雰囲気をたたえている。2004年頃意を決して一度入ってみたことがあった。元は宿泊用の部屋だったとおぼしき怪しい事務所風の小部屋がひっそりと並んでおり、その実態はよく判らなかった。展望台は簡易宿泊施設になっているようだったが受付からして妙に薄暗く、手書きの張り紙や雑然とした調度等の迫力に圧倒されて早々に退散した。惜しくも2006年に解体された

飯田橋・くらら劇場

どこでも成人映画専門館といったらいかがわしさは付きものでしょう。しかし都内でもこの劇場ほど妖気を放つ劇場も今や珍しいのではないでしょうか。下り階段は90°右に曲がり、突き当たりに切符売り場があります。ググると中の構造も素晴らしい様子で一度入ってみたいのですが、ハッテン場になっているとの噂を聞くとノンケとしては足がすくんでしまいます。それにしても色といい書体といいボロい中にも確かな美意識を感じるサインです

神楽坂・銭湯のある風景

30代の数年間、神楽坂の近くに住みました。当時の古ぼけた様子はだいぶ失われましたが、表通りから一本入っただけで強く異界の感覚を味わえる面白い街です。この写真では正面のベージュのビルの向こうに神楽坂の表通りが走っています。銭湯も見えます。どうということもない路地裏の一角なのですが、うねった地形のせいかどこか不安というか奇妙な感じを覚えるのは私だけでしょうか